空き家の庭木伐採・ツタ撤去|川沿い・橋上通路の狭小現場を安全施工
目次
- ご依頼の背景(空き家・通路支障・越境の懸念)
- 現場条件の整理(川沿い/橋上搬出/電線近接/近隣環境)
- 事前準備(現地調査・近隣配慮・養生計画)
- 施工内容① 庭木伐採(小分け伐採・ロープワーク)
- 施工内容② ツタ撤去(根元処理・再生抑制)
- 安全対策と飛散防止(養生・通行動線の確保)
- 搬出・処分(橋上小運搬・積込み・処分)
- 清掃・仕上げ(通路・排水溝・門柱まわり)
- ビフォー/アフター写真
- 作業体制と所要時間・使用機材
- 参考費用の目安(現地条件により変動)
- 再発防止と定期メンテナンス提案
1. ご依頼の背景(空き家・通路支障・越境の懸念)
呉市内の川沿い・橋上通路に面した空き家。長年の放置で庭木(松・常緑樹)が繁茂し、橋上~門柱まわりまで枝葉が張り出して通行を妨げる状態でした。外壁や屋根際にはツタが広く絡み, 窓・雨樋・配線への影響が懸念されました。上空には電線が通っており, 一方向への倒し切りが難しい狭小・近接環境です。
お困りごと(ヒアリング要約)
- 通路確保と見通し回復(橋上・建物脇の動線)
- 外壁のツタ除去と再生抑制のきっかけ作り
- 近隣・電線・川への落下/飛散リスクを避けた安全施工
- 越境や景観悪化の予防、空き家管理しやすい状態への復旧
今回の作業は、上記課題を解消し**「安全に歩ける・点検できる・管理しやすい」**状態へ戻すことを目的としました。
2. 現場条件の整理(川沿い/橋上搬出/電線近接/近隣環境)
写真で確認できた主な条件
- 川沿い・橋上通路:敷地は川に面し、橋上または橋に続く通路が主な作業床・搬出路。手すりがあり、資材や枝葉の落下防止が必須。
- 狭小アプローチ:門柱・ブロック塀まわりがタイトで、車両の直接乗入れが困難。原則は手運び/台車による小運搬を想定。
- 上空の電線:建物上空・道路側に引込線が近接。伐倒方向が制限され、小分け伐採+ロープ制御の前提。
- 近隣住宅の近接:隣家・通行人への配慮が必要。騒音・粉じん・飛散に対する注意が求められる。
- 外壁のツタ・茂み:外壁や塀にツタが強く絡み、剥離時の外装損傷リスクがある。
- 法面・石積み:裏手は勾配と石積みが見える地形。転落・転石・落枝の流出に注意。
この条件で必要になる基本方針
- 養生:橋上通路と手すり沿いに防護シート・ブルーシートで受け面を作り、川側・通路側の落下防止を徹底。
- 伐採方法:電線・近隣に配慮し、短尺での小分け伐採を基本。必要に応じて誘導ロープ/スリングで振れ止め。
- 搬出計画:橋上の台車小運搬→一時集積→車両積込みの段取り。集積場所は通行の妨げにならない位置を確保。
- ツタ撤去:外壁の仕上げ材を確認し、根元処理(切断)→時間差での剥離や、圧着跡を最小化する段階的撤去を採用。
- 安全管理:見張りを置き通行者優先で一時停止を随時実施。作業可否の風速基準・降雨時の増水リスクをあらかじめ設定。
- 清掃・二次災害防止:排水溝・橋上に残渣を残さず、微細な葉くずまで除去。水路詰まりを確認。
3. 事前準備(現地調査・近隣配慮・養生計画)
※本章は写真で確認できた状況+同種現場で一般的に必要となる準備を整理しています。
3-1 現地調査(チェック項目)
- 動線/足場:橋上通路の幅・傾斜・手すり高さ/退避スペースの有無
- 車両・搬出:車両乗入れ可否、台車小運搬のルート、一時集積の安全位置
- 植栽の状態:樹種・高さ・幹径・傾き・腐朽・枯れ枝・越境の有無
- 上空・設備:電線・通信線の位置、引込線までの離隔、屋根・雨樋・窓の近接度
- 地形・水回り:川際の高低差、法面&石積み、排水溝の位置・詰まりリスク
- 周辺環境:近隣との距離、通行量、通学・通勤時間帯
- 気象前提:作業可否の風速基準、降雨・増水時の中止判断
現地調査ミニチェック(コピペ用)
□ 台車ルート確保 □ 一時集積場所 □ 電線離隔 □ 退避スペース
□ 排水溝位置 □ 法面安全 □ 近隣動線 □ 風速基準
3-2 近隣配慮・告知計画
- 作業日程の掲示/ご挨拶:集合住宅/近接住宅へ簡易ポスティング
- 通行者優先の運用:見張り役を置き、通行時は一時停止を徹底
- 時間帯配慮:騒音が出る工程(チェンソー等)は日中帯に集中
- 粉じん・飛散対策:集積前の細断は最小限、清掃→搬出→再清掃の順
- 写り込み配慮:撮影時にナンバー・顔・私物が映らない角度を選定
3-3 養生計画(橋上・外壁・川側)
- 橋上通路:滑り止めマット+ブルーシートで受け面・汚れ防止を確保
- 手すり・門柱:緩衝材(ウレタン・毛布)+コーナーガードで接触保護
- 落下防止:小分け伐採+ロープ制御を基本。必要に応じて受けシート/ネットを追加
- 外壁・塀:養生ボードで擦過保護。ツタ剥離は仕上げ材を確認し段階的に
- 排水口:目詰まり防止ネットや受け皿を設置→作業後に撤去・確認
- 集積場所:シートを敷いて葉くず回収を容易化、通行妨害しない位置に限定
3-4 体制・役割分担と機材
- 役割:伐採(チェンソー)/ロープ(誘導・受け)/見張り(通行誘導)/清掃
- 危険予知(KY):電線・法面・落下・滑りの4大リスクを作業前に共有
- 機材例:バッテリーチェンソー・高枝切り・リギングロープ・スリング・
カラビナ・滑り止めマット・養生シート/ボード・ブロア・掃除機・熊手 - 予備対応:ロープ断線・工具不調時の代替手段を事前に用意
3-5 手続き・ルール確認(必要に応じて)
- 通路・橋の管理区分(私有/公道)と一時占用の要否を確認
- 騒音・時間帯ルール:地域ルールや管理者の指示に合わせた時間設定
- 搬出ルート:住民動線と交錯しない導線を決定し、当日再周知
ポイント要約
- この現場特有の橋上・川沿い・電線近接に合わせ、小分け+ロープ制御+面養生で“落とさない・汚さない・止められる”計画を先に固めます。
- 「調査→告知→養生→役割分担→工程」の順で当日の迷いを削減し、作業時間を短縮します。
4. 施工内容① 庭木伐採(小分け伐採・ロープワーク)
写真で確認できた条件(川沿い/橋上通路/電線近接)を踏まえた一般的な手順です。現地安全基準に合わせて実施しています。
4-1 方針
- 上から下へ・外から内への順で枝を短尺に小分けし、振れをロープで制御。
- 通路・川側へは落とさない前提で、受け側の人員を配置。
- 電線近接部は**誘導ロープ(タグライン)**で引き角を作り、建物側へ倒れ込まないように管理。
4-2 枝払い(リムーブ)の流れ
- 作業床養生(橋上に滑り止め+シート/手すりは緩衝材)
- 到達枝から順に短尺化(高枝・ポールソー→バッテリーチェンソー)
- 掛け声と合図者の一本化(「切る→受け→停止」)
- 誘導ロープを先付けし、受け側2名でテンション調整
- 枝元を玉切りして安全側へスイング抑制しながら降ろす
- 枝葉は橋上の受け面へ一時集積(通行動線を塞がない位置)
4-3 幹の処理(必要箇所)
- 大径部のみ受け口・追い口を取り、短尺の追い倒しまたはロープでコントロール降ろし。
- 倒す方向は電線・塀・門柱から逆へ設定し、人力での姿勢保持→合図→切断。
- 反発や割れを避けるため、追い口は浅め+つる残し管理で静かに倒す。
4-4 電線・近接物への配慮
- 電線直下は**「ぶらさげ切り」禁止**。必ずロープ二点(誘導+補助)で振れ止め。
- 外壁・門柱には養生ボード/コーナーガードを当て、接触リスクを低減。
- 風が出た場合は枝先の面積をさらに小さくしてから作業続行。基準風速超過は中断。
4-5 切り株の仕上げ
- 地際で低切りし、歩行や清掃の邪魔にならない高さに整える。
- 再萌芽の抑制は、定期的な芽欠き/覆土・マルチング等の物理対策を基本に、
薬剤を用いる場合は可否・方法を施主と事前協議(周辺水系配慮)。
4-6 作業時の品質・安全ポイント
- 電動(バッテリー)工具優先で騒音を低減。早朝・夕方の使用を避ける。
- 見張り役が常時通行優先を宣言し、通行者接近時は全工程を一時停止。
- 小運搬→集積→細断の順で、粉じん・散乱を最小化。
- 切粉はブロア→掃除機→手作業の順で仕上げ、排水口の目詰まりを確認。
4-7 作業完了基準(チェックリスト)
- □ 電線・外壁・門柱への接触痕なし
- □ 通路幅の回復(橋上・門柱まわり)
- □ 川側・法面の枝残りなし(落下物ゼロ)
- □ 切り株高さが歩行支障にならない
- □ 集積物・切粉の撤去/排水口確認完了
結果として、橋上通路~門柱周辺の通行が確保され、建物際・法面の見通しが回復。アフター写真で動線の確保と外壁の露出状態(ツタ除去前提)が確認できます。
5. 施工内容② ツタ撤去(根元処理・再生抑制)
川沿い・狭小通路・外壁仕上げを傷めないことを最優先に、**「根を断つ → 壁面は段階的に外す」**手順で実施。
5-1 基本方針
- 根元から養分供給を遮断し、壁面のツタは短く刻んで段階的に剥離。
- 外壁の仕上げ(塗装・モルタル・サイディング・タイル)に合わせ、こすり過ぎ・引っ張り過ぎを禁止。
- 川沿いのため薬剤は原則不使用(使用する場合は切株塗布など局所のみに限定・法令順守)。
5-2 根元処理(最優先)
- 主幹の特定:地面際で太い蔓(ツル)の立ち上がりを確認。
- 二段切り:地面際で一次カット→壁面側に余裕を残し二次カット。
- 根元の掘り起こし:表層5~10cmを起こし、太根を切断→除去。
- 切り口養生:土を戻して日光遮断(再生芽の抑制)。必要に応じて防草シート+マルチ。
5-3 壁面の撤去手順(段階的剥離)
- 短尺化:外壁面のツタを30~50cmごとに切り分け、荷重を減らしてから作業。
- 固定部の処理:蔓が雨樋・配管・電線に絡む部分は、結束を先に切る→ゆっくり解く。
- 剥がし工具:ナイロンヘラ/毛足の長いブラシを併用。金属スクレーパーの直当ては避ける。
- 固着跡(吸盤・気根):無理にこすらず、乾燥後にブラッシング→微細残渣は後日点検で追加除去。
- 雨樋・桝:蔓片・葉くずが落ちないよう先に受けシートを設置→回収→清掃。
5-4 外壁材別の配慮(傷防止)
- 塗装モルタル/サイディング:塗膜を削らない。横引き禁止・上から下へ。
- タイル・石積み:目地の欠けに注意。ヘラは角を立てず面で当てる。
- 木部:導管に気根が食い込むため、乾燥後に柔らかいブラシで複数回に分ける。
- 金物(門扉・手すり):擦り傷防止の当て布養生を先行。
5-5 再生抑制(予防計画)
- 根元巡回:1~2か月後/6か月後に新芽チェック→芽欠き。
- 日照・土壌:根元に防草シート+砕石で発生源を遮断。雨水がたまる場合は勾配調整。
- 外壁管理:再付着の足場になりやすい配管バンド・隙間を点検し、隙間塞ぎを提案。
- (必要時のみ)薬剤:水域近接のため切株塗布の局所処理に限定。使用の可否・方法は事前合意。
5-6 産廃・清掃
- 回収順:壁面→足元→排水口の順で上から下へ。
- 微細残渣:ブロア→掃除機→手拾いで仕上げ、桝・雨樋・橋面を最終確認。
- 搬出:橋上の一時集積→台車小運搬で通行を妨げずに搬出。
5-7 仕上がり基準(チェックリスト)
- □ 外壁の塗膜・目地の損傷なし
- □ 雨樋・配管の絡みゼロ/固定具の緩みなし
- □ 根元の再生芽なし(初回点検時)
- □ 排水口・橋面の葉くずゼロ
- □ 写真記録(要望があれば公開用に加工済み)
結果:外壁・通路・法面の見通しが回復し、点検・清掃・管理がしやすい状態に。今後は**季節点検(年1~2回)**で再発を抑制します。
6. 安全対策と飛散防止(養生・通行動線の確保)
川沿い・橋上通路・電線近接という条件下で、**「落とさない/飛ばさない/止められる」**を最優先。
6-1 養生(橋上・川側・外壁)
- 橋上通路:滑り止めマット+ブルーシートで受け面を形成。ジョイントはガムテで段差ゼロ。
- 手すり・門柱・外壁角:コーナーガード/緩衝材(毛布・ウレタン)で接触保護。
- 排水口・側溝:目詰まり防止ネットを仮設→作業後に回収・確認。
- 車両・私物:近隣車や鉢・収納は不織布カバーで一時養生、必要なら一時移動を依頼。
6-2 通行動線の確保(人・モノの流れを分離)
- 見張り(誘導)配置:橋上の出入口側に1名常駐。通行者接近時は全作業一時停止。
- 単線運用:切断・集積・小運搬を同時にしない(人と荷の交差を禁止)。
- 掲示・声掛け:A4掲示「作業中・通行優先/飛来物注意」を入口に表示。
- 撮影配慮:個人が写り込む場合は角度変更 or 撮影中断。
6-3 飛散・落下防止
- 短尺化の徹底:枝は30–80cm程度で小分け。大物のぶら下げ切り禁止。
- ロープ制御:タグライン(誘導ロープ)+補助ロープの二点管理で振れ止め。
- 受け面の活用:一時集積は受け面上の定位置に限定し、橋縁に寄せない。
- 風対策:微風でも葉量の多い枝はさらに短く。基準風速超過時は中断・再判断。
6-4 電線・配線の近接対策
- 離隔確認→立入禁止線:電線下に仮の立入禁止ゾーンを設定。
- ロープ先付け:切る前に誘導ロープを掛ける→テンション確認。
- 工具の選択:上空は軽量バッテリー工具中心で取り回しを安定。
- 接触時の手順:万一の接触・断線は即時退避→通報→再通電確認まで作業停止。
6-5 騒音・粉じん・水域配慮
- 時間帯配慮:チェンソー工程は日中帯に集中。
- 粉じん抑制:細断は必要最小限、ブロアは搬出直前のみ。
- 水域保全:川側への落下ゼロ。微細葉くずも受け面で回収し、流出確認。
6-6 緊急対応体制(ミニKYT)
- 想定リスク:落下・滑転・電線・刃物・増水。
- 初動:合図者が全停止コール→負傷者保護→119/110→現場責任者が誘導。
- 連絡系統:作業前に連絡先と集合場所を共有。
- 再開判断:原因除去・安全確認・手順見直し後に段階再開。
6-7 チェックリスト(完了判定)
- □ 養生(橋上・外壁・排水口)がずれ・破損なし
- □ 見張り配置・通行優先運用が徹底
- □ 短尺化・二点ロープが実施され、ぶら下げ切りなし
- □ 電線ゾーン立入禁止の遵守
- □ 粉じん・葉くずの飛散・流出ゼロを確認
以上により、狭小・川沿い・電線近接でも安全余裕を確保しながら作業を進行できる体制を維持しました。
7. 搬出・処分(橋上小運搬・積込み・処分)
川沿い・橋上通路という条件のため、**「短距離を小分けで確実に」**を基本に、通行者優先で進行。
7-1 動線と一時集積
- 単線運用:切断→一時集積→小運搬→車両積込みを同時にしない(人と荷の交差防止)。
- 受け面上に集積:橋上の受け面(シート)に定位置を設け、橋縁から離して低く積む。
- 台車ルート:段差にはスロープ養生。手すり内側を走行し、見張りの合図で発進・停止。
7-2 分別とサイズ管理
- 枝葉/幹材を分別:枝葉は束ね、幹は短尺の玉切りで密度よく積載。
- 金物混入防止:結束紐・ワイヤー・プラ混入を積込前にチェック。
- 濡れ防止:降雨時は防水シートで被覆し、搬出直前に外す。
7-3 積込みの手順
- 荷台養生(ラバーマット・シート)
- 幹材→枝葉の順で積載し、背を低くして重心を下げる
- 荷締めベルトで前後左右を固定(角当て使用)
- 落下物確認:車両周囲を巡回して小枝・葉くずを回収
7-4 交通・近隣配慮
- 見張り常駐:積込み時は車両側にも1名配置し、通行人・自転車を最優先。
- 騒音対策:細断は現場最小限、場外で追加細断(許容される場所)を基本。
- 清掃同時進行:搬出列の背後で即時清掃→再散乱防止。
7-5 適正処理(法令・委託)
- 木系発生物は、契約の範囲で適正な処理・リサイクルルートへ搬入。
- 産廃・一般いずれの区分でも、**委託先の基準・伝票類(必要時)**を遵守。
- 現場公開用の記事には数値や処理先名は記載しない(内部記録に保存)。
7-6 雨天・増水時の判断
- 橋上の滑り・視界不良や水位上昇の兆候があれば、搬出を中断→安全再評価。
- シートの水溜まりは随時排水し、荷の吸水・重量増を抑制。
7-7 完了基準(チェックリスト)
- □ 橋上・門柱まわりに残渣ゼロ(葉くず・結束材)
- □ 手すり・橋縁への接触痕なし
- □ 積載固定完了(荷締め・角当て)
- □ 通路幅の復旧と掲示物の撤去
- □ 処理伝票(必要時)・搬入記録を社内保存
以上により、狭小・橋上という制約下でも、安全・清潔・確実に現場外まで搬出し、適正処理までを一連で完了しました。
8. 清掃・仕上げ(通路・排水溝・門柱まわり)
仕上げは「落とさない・流さない・残さない」。水域近接のため乾式中心で実施。
8-1 清掃範囲(優先順)
- 橋上通路・手すり内側
- 門柱/門扉まわり・玄関アプローチ
- 建物際の狭小通路(配管・桝まわり)
- 法面・石積みの段差・隙間
- 排水桝・側溝・落ち葉だまり
- 雨樋(安全に届く範囲での目視点検)
8-2 手順(乾式→必要箇所のみ湿式)
- 粗取り:熊手・手拾いで枝葉・蔓片・タイラップ等の異物を回収。
- 集塵:ブロアは弱風で内側へ(橋縁に寄せない)。集めたゴミは袋詰め→即撤去。
- 細清掃:乾湿両用掃除機で細かい葉くず・粉塵を吸引。
- 拭き上げ:門柱・手すり・外壁角の汚れを中性洗剤+ウエスで局所拭き取り。
- 排水系:
- 事前に設置した目詰まり防止ネットを外して回収。
- 桝底の残渣を回収し、流れの確認(少量の水でテスト)。
- 竪樋接続部の詰まり有無を目視。
- 養生撤去:受け面(シート)は外周→内側の順に畳み、落ち葉をこぼさず撤去。
- 最終確認:橋面・石積み・法面の隙間残渣を点検して回収。
8-3 仕上げ処理(見た目+再発抑制)
- 切り株まわり整形:歩行支障が出ないようフラットに均し、露出根は段差を落とす。
- 根元再生芽対策:防草シート+砕石(必要範囲)を提案。
- 外壁のツタ跡:無理擦りはせず、乾燥後に柔らかいブラシで段階除去(塗膜保護)。
- 門柱・金物:緩衝材跡や擦り跡を中性洗剤で拭き取り、仕上がりを目視共有。
8-4 NG事項(川沿い配慮)
- 高圧洗浄の乱用禁止(微細泥・有機物が水域へ流出する恐れ)。
- ブロア強風で橋外へ飛散させない。
- 洗剤の垂れ流しをしない(必要箇所のみ最小量で拭き取り)。
8-5 引き渡し前チェックリスト
- □ 橋上通路のライン(継ぎ目・目地)が見えるレベルまで清掃
- □ 排水桝の底が視認できる/流れ良好
- □ 門柱・門扉・手すりに擦り傷・汚れ残りなし
- □ 法面・石積みの隙間残渣ゼロ
- □ 受け面・掲示物・養生材の撤去完了
- □ 結束材・釘等の異物混入ゼロ(磁石棒チェック可)
- □ 清掃後写真(全景・門柱付近・排水桝)を記録
これで通路の歩行性と視認性が回復し、雨天時の排水不良や飛散再発のリスクを抑制した状態でお引き渡しできます。
9. ビフォー/アフター写真










10. 作業体制と所要時間・使用機材
本件(呉市・川沿い・橋上通路・電線近接)の条件を踏まえた標準体制と目安です。数値は現場により上下します。
10-1 体制(役割分担)
- 現場責任者(1):安全管理・近隣対応・工程指揮・最終確認
- 伐採オペ(1):枝払い/玉切り(電動チェンソー主体)
- ロープ担当(1):誘導ロープ・受け・振れ止め
- 見張り兼清掃(1):通行誘導・撮影記録・段階清掃
目安:3〜4名体制(狭小・電線近接のため合図者と受け役を確保)
10-2 所要時間(当日の流れ・目安)
- 朝礼・KYT・近隣挨拶 … 15–30分
- 養生・動線確保 … 45–90分
- 庭木の小分け伐採 … 2.5–3.5時間
- ツタ撤去(根元処理→壁面) … 1.5–2.5時間
- 搬出・積込み(小運搬) … 1.0–2.0時間
- 清掃・最終点検・撮影 … 30–60分
合計目安:6〜8時間(3〜4名×1日)
10-3 使用機材(例)
- 切断系:バッテリーチェンソー(小型+中型)/高枝ポールソー/剪定鋸・剪定鋏
- ロープワーク:リギングロープ(φ10–12mm)/補助ロープ/スリング/カラビナ/簡易プーリー
- 足場・搬出:脚立(必要最小限)/台車/荷締めベルト/角当て/ラバーマット
- 養生・保護:滑り止めマット/ブルーシート/養生ボード/コーナーガード/不織布カバー/排水口ネット
- 清掃:ブロア/乾湿両用掃除機/熊手・ちりとり/ウエス・中性洗剤
- 安全備品:ヘルメット・アイプロテクション・防刃グローブ・無線機(またはハンズフリー)・救急セット・感電対策周知票
- 電源:バッテリーパック複数(急速充電器)
10-4 進行ルール(現場運用)
- 通行者最優先:接近時は全工程一時停止、見張りが再開を合図
- 短尺原則:枝は30–80cmで小分け、ぶら下げ切り禁止
- 二点ロープ:誘導+補助の二点管理で振れ止め(電線直下は特に厳守)
- 単線運用:切断/集積/小運搬は同時にしない(人と荷の交差防止)
- 風・増水基準:基準超過で中断→再評価(橋上滑り・川側流出を防止)
10-5 仕上げ・記録(引き渡し前)
- 通路・排水の復旧確認(橋上・門柱・桝)
- 切り株高さ・外壁・門柱の擦過なしを確認
- 写真記録:ビフォー/アフターの同構図、清掃後、排水確認ショット
- 内部メモ:発生物量(概算)・次回点検推奨時期(例:1–2か月後の芽チェック→6か月後)
上記を基本とし、当日の人員・時間は現地の枝量・蔓の固着度・搬出距離に応じて調整します。
11. 参考費用の目安(現地条件により変動)
表示は税込の概算です。実際は、樹高・本数・ツタの固着度・搬出距離(橋上小運搬)・電線近接・法面有無で上下します。
11-1 単価の目安
- 庭木伐採(1本)
- 〜3m:5,500〜13,200円
- 3〜5m:13,200〜33,000円
- 5〜7m:33,000〜66,000円(7m超は要現地見積)
- ツタ撤去(壁面)
- 1㎡あたり 1,100〜3,300円(根元処理含む)
- 強固な固着・高所作業は加算あり
- 発生材の搬出・処分
- 軽トラ1台(約0.8m³)11,000〜22,000円
- 少量は束単位/袋単位で調整可
- 基本・養生費(狭小・橋上通路対応含む)
- 8,800〜16,500円(現場規模により)
11-2 加算の目安(該当時のみ)
- 橋上長距離の小運搬:+10〜20%
- 電線・配線の近接作業:+10〜30%
- 法面・石積み・高所(脚立以上):+10〜25%
- 雨天対策・増水警戒での中断再開:実作業時間に応じ調整
11-3 モデルケース(よくあるパターン)
- A:ライト(半日)
小木2〜3本+軽いツタ撤去+小運搬少 → 40,000〜80,000円 - B:標準(1日・今回規模想定)
小〜中木3〜5本+外壁ツタ帯の撤去+橋上小運搬+清掃 → 100,000〜180,000円 - C:重作業(1〜1.5日)
中〜大木混在+濃いツタ+電線近接+法面あり → 180,000〜300,000円
11-4 費用を抑えるコツ(依頼前にできること)
- 可搬物の一時移動(鉢・資材・置物)で作業動線を確保
- 敷地内に一時集積スペースを確保(台車の往復距離が短縮)
- 駐車・停車場所の確保(積込みを早く終えられる)
- ビフォー写真の共有(樹高・本数・絡み箇所が分かると見積精度UP)
正式なお見積りは現地確認後に提示します(見積無料)。表示金額はあくまで目安としてご参照ください。
12. 再発防止と定期メンテナンス提案
目的:再生芽の抑制/通路の確保/外壁・排水の健全化を、負担を抑えつつ長期に維持。
12-1 初回フォロー(施工後1〜2か月)
- 根元の新芽チェック→芽欠き(再生点を早期に潰す)
- 外壁の残渣(気根・吸盤跡)を再ブラッシング(塗膜に配慮して軽圧で)
- 排水桝・橋上目地の点検清掃(落葉期前の詰まり予防)
12-2 年間ルーティン(季節ごと)
- 春(3〜4月):新芽の一斉芽欠き/根元の防草シート+砕石の継ぎ目確認
- 梅雨〜夏(6〜8月):伸長枝の軽剪定、外壁・配管への再付着有無を確認
- 秋(10〜11月):落葉・蔓片の排水ライン清掃、切り株高さの再確認
- 冬(12〜2月):休眠期の構造剪定(必要時)、石積み・法面の緩み点検
12-3 再発を防ぐ環境づくり
- 根元環境:日光遮断(防草シート)+5〜15mm砕石敷きで発生源ブロック
- 外壁側:ツタが足掛かりにする配管バンド周りの隙間を塞ぐ
- 散水動線:根元に水が溜まらない勾配へ整える(再生促進の抑制)
- 置物・資材:蔓が絡む網状・格子状の物は外壁近くに置かない
12-4 推奨メンテナンスプラン(編集可)
- ライト(年1回):芽欠き・通路清掃・排水確認(60〜90分目安)
- スタンダード(年2回):ライト+外壁残渣ケア・軽剪定
- スポット:風倒・増水後の緊急点検清掃(短時間出動)
12-5 ご自身でできる簡易チェック(チェックリスト)
- □ 根元・切り株に新芽なし
- □ 外壁・配管・手すりに蔓の再付着なし
- □ 橋上・門柱まわりの通路幅確保
- □ 排水桝の底が見えるレベルで清掃済み
- □ 法面・石積みに落枝・残渣なし
ポイント:**「芽が小さいうちに取る」「排水を詰まらせない」**の2軸で手間を最小化。年1〜2回の点検で、再発コストとリスクを大きく抑えられます。