佐伯区五月丘|空き家の庭仕舞い。高木伐採・全面除草・整地で通路を確保

目次

  1. ご相談の背景(空き家・近隣配慮・安全面の課題)
  2. 施工前の庭の状態(ビフォー:高木・ソテツ密植/下草繁茂/飛石・景石/通路狭小)
  3. 施工方針(残すもの・撤去するもの/飛石・景石の保全方針)
  4. 作業内容
     ・養生→高木伐採→集積・搬出→全面除草→整地→建物際の動線確保
  5. 施工後(アフター:視界の抜け・通路確保・景石の活かし)
  6. 作業体制・所要時間・搬出量(現場実績)
  7. 次工程のご提案(防草シート+砂利/年2回メンテ)

1. ご相談の背景(空き家・近隣配慮・安全面の課題)

佐伯区五月丘の空き家。しばらく人手が入らず、黒松やソテツ、多数の低木が密植して高さ・量ともに増えていました。足元は下草と落ち葉が堆積し、建物際まで茂って通路が細く、採光・通風も阻害。飛石・景石は点在しており、転倒防止と保全の両立が課題でした。

近隣側では越境枝・落葉・害虫の発生、台風時の枝折れ・倒伏リスク、防犯面の死角化が懸念事項。特に路地やフェンスが近く、搬出経路と作業スペースに制約があるため、養生と小運搬前提の計画が必要でした。

ご要望は「庭仕舞い=一度きれいにリセット」。

  • 高木・ソテツの整理(安全第一)
  • 低木と下草の全面除去で見通し確保
  • 建物まわりの動線確保と清掃性の向上
  • 景石・飛石は活かして残す(文化的要素の保全)

将来の活用や管理負担の軽減を見据え、「景観を崩さずにスッキリ」「近隣への配慮を徹底」という方針で施工計画を立てました。

2. 施工前の庭の状態(ビフォー)

写真のとおり、庭全体に樹木と下草が密に生い茂り、視界と動線が確保しづらい状態でした。黒松や針葉樹が枝を張り、ソテツは複数株立ちでボリュームがあり、低木の玉物も密植。足元は苔の上に多年草雑草と落ち葉が層状に堆積していました。飛石・景石・化粧砂利帯が点在しており、転倒防止と景観保全の両立が必要でした。

主な課題

  • 高木の繁茂:枝葉が広がり、強風時の枝折れ・越境の懸念。上空には電線も見えるため、伐採はロープワーク前提。
  • ソテツ・低木の密集:株立ちが多く、内部に枯れ葉が溜まりやすい状況。害虫発生と清掃性の面で不利。
  • 通路の狭さ:建物際は人一人が通れる程度で、雑草の繁茂により通行・作業が困難。搬出は小運搬中心の計画が必要。
  • 足元状況:苔面+飛石+景石で凹凸が多く、滑りやすさと石の破損リスクに配慮が必須。
  • 近隣配慮:フェンス越しに隣家が近く、落葉・騒音・粉じん・枝の飛散を最小化する段取りが求められる。

以上を踏まえ、「安全第一・景石保全・動線確保」を軸に、後工程(除草・整地)まで一気通貫で進める計画としました。

3. 施工方針(残すもの・撤去するもの/保全方針)

残すもの

  • 飛石・景石・化粧砂利帯:景観要素として活かす。
  • 庭勾配・排水開口:水はけを維持(詰まりは清掃のみ)。
  • 建物まわりの通路:将来の点検動線を確保。

撤去・整理するもの

  • 高木(黒松・針葉樹):地際で伐採。テラス屋根・電線に配慮し、ロープで分割降ろし
  • ソテツ群:株元で伐採し、枯葉・芯葉も除去。
  • 低木の玉物/下草・落葉:全面除去。越境枝・枯損枝は併せて整理。
  • 可燃・不燃の分別搬出:飛散物は都度回収し、近隣側を先行清掃。

切株と地中

  • 切株:原則は**ローカット(地際~数cm)**で足掛かりを残さない仕上げ。
  • 抜根:景石・配管・基礎へ負荷をかけないため、必要区画のみ(全面抜根は次工程で個別判断)。

保全・養生

  • 飛石・景石:合板+防炎シートで養生し、衝撃・擦れを回避。
  • 建物・フェンス・テラス屋根:飛散防止ネット/緩衝材で保護。
  • 狭小通路の小運搬:一輪車・土嚢袋を併用し、振動・騒音を抑制。

仕上げの考え方

  • 今回の到達点:全面除草・集積搬出・整地まで。
  • 次工程のご提案
    1. 防草シート+砂利(黒系/ベージュ系)で維持負担を最小化
    2. 年2回のメンテ(初夏・秋)で景観維持
    3. 使途が決まるまでのターフ一時敷設など暫定管理

4. 作業内容

4-1. 養生・近隣配慮

  • 飛石・景石・化粧砂利帯を合板+防炎シートで養生。建物際・フェンス際は緩衝材を当てて接触を防止。
  • 搬出動線(門〜道路)をブルーシートで通路養生し、土砂の持ち出しと床面傷つきを抑制。
  • 作業前後で近隣様へ一声掛け・道路清掃を実施。

4-2. 高木の伐採(安全第一の分割降ろし)

  • 電線・テラス屋根・フェンス位置を確認し、上から小分けで枝下ろし→幹を分割。
  • 切断片はロープ管理で安全降ろし。建物・石材に触れないよう受け手を配置。
  • 地際でローカットし、切断面は面取りしてつまずき防止。

4-3. ソテツ・低木の整理

  • ソテツは株元で切断し、内部に溜まった枯葉・刺葉も回収。
  • 低木の玉物は残す/撤去を区分し、残す木は樹形を整える軽剪定。
  • 越境枝・枯損枝は併せて処理して視界を確保。

4-4. 除草・落ち葉回収

  • 建物際から奥に向かって全面除草。刈払機+手抜きの併用で根際まで処理。
  • 落ち葉・細枝は熊手→集積→ブロワ清掃。苔面は必要範囲のみ手作業で優しく清掃。

4-5. 分別・搬出

  • 可燃(葉・細枝)/不燃(紐・金物など)を分別。
  • 狭小通路は土嚢袋・一輪車で小運搬、門外に仮置き→積込み。
  • 飛散物は随時回収し、動線と作業スペースを常にクリアに維持。

4-6. 整地・動線確保

  • 表層の細根・小石を選り分け、レーキで均し。
  • 建物際の通路を確保し、雨水桝・排水開口部を清掃して詰まりを解消。
  • 最後に散水・掃き清掃で粉じんを抑えて仕上げ。

4-7. 安全管理(共通)

  • ヘルメット・アイプロテクション・防刃手袋・安全靴を着用。
  • 切断時は合図者を置き、同時作業の干渉を禁止
  • 休憩ごとに養生のズレ・通路障害物を点検して再固定。

5. 施工後(アフター)

  • 視界と採光がクリアに
     高木・ソテツ・下草を整理したことで、庭全体の見通しが大きく改善。建物際の陰も減り、窓まわりの採光・通風が向上しました。
  • 通路・動線をしっかり確保
     建物沿い〜門までの動線を妨げていた枝葉・雑草を除去し、荷物の搬入出や点検作業がスムーズに行える状態に。今後の管理・清掃の負担も軽くなります。
  • 飛石・景石はそのまま活かす
     養生のうえ作業したことで、飛石・景石・化粧砂利帯のレイアウトと質感を保全。庭の意匠は残しつつ、足元の凹凸を整理して歩きやすさを確保しました。
  • 安全性の向上
     越境・倒伏リスクのあった枝や繁茂部位を解消。切株はローカット仕上げでつまずき要因を抑制し、テラス屋根・フェンス・外壁への干渉も除去しました。
  • 清掃性・維持性がアップ
     落ち葉・細枝・枯葉だまりを徹底回収。排水桝・開口部も清掃済みで、水はけが良好に。今後は箒がけ中心の軽作業で景観を保ちやすくなります。
  • 次工程に進めやすい下地
     表層を整地してあるため、防草シート+砂利(ご希望の色味)や、部分的な抜根・客土などの追加工事にもスムーズに対応可能です。

ビフォーでは鬱蒼としていた庭が、アフターでは「意匠を残しつつ管理しやすい」状態に。景石の存在感はそのまま、生活動線と安全性を優先した庭仕舞いが実現できました。

6. 作業体制・所要時間・搬出量(現場実績)

体制

  • 役割分担:伐採担当(上部の枝下ろし・ロープワーク)、地上誘導(受け手・安全監視)、搬出・清掃担当。
  • 指揮系統:切断時は合図者を中心に単一指示系で進行。複数作業の同時進行は干渉禁止。

主な使用機材

  • チェーンソー(通常刃・根切り用)、高枝用電動、刈払機(ナイロン・スチール併用)
  • ロープ・スリング・カラビナ類、ヘルメット・防護ゴーグル・防刃手袋
  • ブロワ、熊手・レーキ、土嚢袋、一輪車
  • 合板・防炎シート・緩衝材(養生)

所要時間

  • 日中帯のワンデー工程で完了(養生→伐採→除草→集積搬出→整地→最終清掃までを同日内に実施)。
  • 高所・狭小区画は午前のうちに集中的に処理し、午後は搬出・整地・仕上げ清掃に充当。

搬出・処理

  • 枝葉(可燃)/幹材(資源)を現場で分別。狭小動線は**小運搬(土嚢袋・一輪車)**で門前仮置き→車両へ積込み。
  • 飛散物は都度回収し、最終は通路・前面道路をブロワ+掃き掃除で引き渡し。

品質・安全の確認

  • 切株はローカット仕上げ(段差最小化)を確認。
  • 飛石・景石・化粧砂利の損傷・位置ずれ無しを相互チェック。
  • 雨水桝・排水開口の詰まりを清掃し、水はけを確認。

7. 次工程のご提案(維持負担を小さくする選択肢)

7-1. 雑草対策の恒久化

  • 防草シート+砂利仕上げ
    • シート:高耐久(厚手)を推奨。重ね幅10~15cm、端部はピン+見切り材で抑え。
    • 砂利:5〜20mmの化粧砂利または砕石。色はグレー/ベージュ/黒系から庭石に合うものを選定。
    • メリット:落ち葉清掃がしやすく、見た目も整う。後から部分開口も可能。
  • 部分対策(人通りの多い場所だけ)
    • 建物際や門〜通路など、管理頻度が高い区画のみシート+砂利で先行施工。
    • 残りは年2回メンテでコスト分散。

7-2. 切株/根の扱い

  • ローカット維持(現状のまま)
    • つまずき・再萌芽の様子を見つつ、必要時のみ追加処理。
  • ポイント抜根
    • 砂利仕上げ予定地や歩行ラインに干渉する株のみ抜根。
    • 景石・配管付近は負荷を避け、ケースバイケースで掘削深さを調整。

7-3. 低木・意匠要素の再設計(任意)

  • 残す低木の最小限剪定で管理性を確保。
  • 景石の見え方を基準に、砂利色とライン(見切り)を決定。
  • 必要に応じて簡易見切り材(アルミ/樹脂)で砂利の流出と苔面の保護を両立。

7-4. 年間メンテナンス(おすすめ:年2回)

  • **初夏(5〜6月)/秋(10〜11月)**の2回点検
    • 目安作業:軽剪定、除草残渣回収、落ち葉清掃、排水桝の確認、砂利の均し直し。
    • 越境・死角の発生前に手を入れることで、コストと手間を抑制。