呉市広 高所作業車を用いた危険木特殊伐採 作業実績レポート


1. はじめに
このたび、呉市広にて高所作業車を用いた危険木の特殊伐採を実施いたしました。本工事は、伸びすぎた樹木が住宅屋根や電線に接触する恐れがあるため、お客様より「安全かつ確実に伐採してほしい」とのご依頼をいただいたものです。
当日は真夏の日差しが照りつける厳しい暑さの中、経験豊富な作業スタッフが一丸となって作業にあたることで、安全第一を徹底しながら効率よく施工を行うことができました。
本レポートでは、作業の背景・目的から使用機材、安全対策、具体的な施工手順までを順にご紹介し、今回の特殊伐採がいかに安全かつスムーズに完了したかをまとめています。今後同様の施工をご検討される方や、メンテナンス計画の参考としてご活用いただければ幸いです。
2. 施工概要
2.1 施工場所
- 所在地:広島県呉市広(お客様邸敷地内)
- 敷地条件:
- 敷地北側に住宅屋根が隣接
- 背後に密集した竹林・雑木林
- 敷地内に電線が横断
2.2 伐採対象(危険木)の状況
- 樹種(推定):クスノキ
- 樹高:約15m
- 幹径:約40~50cm
- 危険要因:
- 大枝が瓦屋根上部まで張り出し、台風や強風時の落枝・倒木リスク
- 敷地内を横断する電線に接近し、送電障害や感電事故の恐れ
- 作業上の制約:
- 周囲が竹林で囲まれ、地上からの搬出・足場設置が困難
- 狭小地のため、チェーンソーによる一斉伐倒ではなく、高所作業車と特殊伐採が必須
以上を踏まえ、安全かつ効率的な施工のために高所作業車を用いた特殊伐採を計画・実施しました。次節では、使用機材と安全対策について詳述します。
3. 使用機材と安全対策
3.1 高所作業車の仕様
- 機種:架台型高所作業車(ブーム先端可動式、最大作業床高さ15m)
- 作業床寸法:幅0.8m × 奥行0.6m(最大2名同時搭乗可)
- 旋回角度:上下360°/左右160°
- アウトリガ:四点支持/水準器付きで地盤傾斜±5°まで対応
- 搭載装備:
- チェーンソー用ホルダー
- 作業用ロープ・カラビナ
- 電動ウィンチ(小枝吊り降ろし用)
3.2 作業前の安全確認
- 地盤および車両設置確認
- 支持力を確保できる硬い地盤かを確認
- アウトリガ展開後に水平水準器で平行を確認
- 作業エリアの明示・立入規制
- コーンおよび警告テープで半径3m以内への立ち入りを禁止
- 通行人・近隣住民への事前告知(チャイム連絡)
- 電線・障害物チェック
- 電力会社へ事前問い合わせのうえ、送電停止もしくは安全距離(最低2m以上)を確保
- 枝吊り降ろし時の落下箇所を想定し、周囲の竹林や建物の破損リスクを予測
- 作業者の個人装備(PPE)
- ヘルメット、安全帯(二点吊り)、防護メガネ、グローブ、チェーンソープロテクタ着用
- 片手無線機による常時連絡体制の確立
- 機材・工具の点検
- チェーンソー刃の目立て状態、燃料・油脂の補充チェック
- ワイヤー、ロープ、カラビナに破断や摩耗がないか目視点検
以上の機材選定と安全確認を徹底し、「人員・機材・環境」の三点を万全の体制で整えたうえで、予定どおり特殊伐採作業に臨みました。次節では具体的な作業手順をご紹介します。
4. 作業内容詳細
4.1 足場設置および車両配置
- アウトリガ展開・水平確認
- 作業車を所定位置に誘導し、アウトリガ(四点支持)を展開
- 水準器で車体の水平・安定を確認し、緩みや傾きを排除
- 作業エリアの確保
- 半径約3m以内をコーンと警告テープで立入禁止に設定
- 地上作業員がチェーンソー使用時の落下物を把握できる誘導線を設定
- 車両・機材配置
- 高所作業車のバスケット位置を狙いの対象樹幹に合わせる
- 地上チームの動線を確保しつつ、チッパーや工具箱を作業車横に配置
4.2 枝下ろし・幹切断の手順
- 小枝の先行除去
- まず高所バスケットから手の届く範囲の小枝をチェーンソーで切断し、ワイヤーで吊り降ろし
- 大枝のセクションカット
- 切断箇所にロープを掛け、安全結束後に切り込みを入れる
- 枝の重心と落下方向を制御しつつ、電動ウィンチでゆっくり降ろす
- 主要幹の段階的切断
- 幹を高さごとにセクション分けして切断(例:上部→中間→根元)
- 各セクションは50〜60cm程度の長さに分割し、安全に吊り降ろす
- 地上チームの連携
- 地上では誘導ロープにより枝葉の落下経路をコントロール
- 受け取り・チップ投入係がスムーズに枝葉を集積
4.3 切り株処理・後片付け
- 切り株仕上げ
- 幹切断後、地面上5〜10cmの高さに切り残し
- 根元周りの土をならし、倒木痕を平滑化
- 残材の処理
- 切り落とした枝葉をポータブルチッパーにて破砕
- 幹材は搬出台車に積み込み、指定場へ搬出
- 現場清掃
- 枝片・木屑を全て回収し、ほうき・ブロワーで最終清掃
- 作業エリアおよび周辺道路を点検し、落下物がないことを確認
以上の手順を、地上・高所両チームが密に連携しながら実施し、安全かつ効率的に特殊伐採を完了しました。次節では「作業時間と人員体制」についてご報告いたします。
5. 作業時間と人員体制
- 作業日:2025年4月20日(日)
- 作業時間:
- 開始:08:30
- 終了:17:00
- 休憩:12:00~13:00(1時間)
- 実働:7.5時間
- 人員構成(計4名)
- 高所作業車オペレーター…1名
- 高所作業補助・伐採担当…1名
- 地上誘導・チェーンソー受取…1名
- 地上片付け・チッパー操作…1名
各担当が明確に役割分担を行い、休憩時間を含めたタイムスケジュール管理で集中力を維持しながら、安全かつ効率的に施工を完了しました。次節では、お客様から頂戴したご感想を掲載いたします。
6. お客様の声
本日は猛暑の中、皆さんには大変お世話になりました。
途中3回ほど様子を見に戻りましたが、どのスタッフも一生懸命に動いてくださり恐縮いたしました。
あれほどの力仕事を、この料金で引き受けていただき本当にありがとうございました。
どうか皆さんにもよろしくお伝えください。
お客様には、厳しい暑さの中でも安全第一で丁寧に作業を行ったスタッフの対応を高く評価していただきました。作業品質だけでなく、迅速かつ真摯な姿勢がご安心につながったとのお言葉を賜り、改めて感謝申し上げます。
7. 今後のメンテナンス提案
- 定期点検の実施
- 年1〜2回を目安に、樹勢や枝の伸び具合を確認する定期点検を実施してください。
- 特に梅雨前後や台風シーズン前に点検することで、強風や豪雨による落枝・倒木リスクを未然に抑制できます。
- 軽度剪定の実施
- 毎年の成長期(初夏)に、混み合った枝や屋根・電線に張り出しそうな小枝を除去する軽度剪定をおすすめします。
- 剪定作業は樹木の回復力を損なわないよう、全体の20%以内の剪定枝量に抑えることが理想的です。
- 専門業者によるフォローアップ
- 高所作業や特殊伐採が必要な際は、安全確保と効率性の観点から専門業者への依頼を継続的にご検討ください。
- 電線や近隣構造物への影響が懸念される場合は、電力会社や造園業者と連携した共同点検を行うことで、さらに安全性が向上します。
- 土壌・根域の健康管理
- 過度な根掘りや転圧を避け、根域に堆肥や腐葉土を補給することで土壌環境を良好に保ってください。
- 必要に応じてマルチング材を敷設し、乾燥や雑草侵入を防ぐとともに、根張り環境を整えます。
これらのメンテナンスを定期的に実施することで、樹木の健全な成長をサポートしながら、再び危険木状態になる前に適切な管理が行えます。今後も安心・安全な環境維持のためにご活用ください。




8. まとめ
本事例では、呉市広のお客様邸において、住宅屋根や電線に迫る危険木(クスノキ・樹高約15m)の特殊伐採を、高所作業車を活用して安全かつ効率的に完了いたしました。
- 安全対策として、アウトリガによる車体安定、作業エリアの立入規制、電線との安全距離確保を徹底。
- 作業手順は、小枝の先行除去から大枝のセクションカット、幹の段階的切断と吊り降ろし、地上チームとの連携による清掃まで、一貫して緻密に実施。
- 実働7.5時間・スタッフ4名体制で、猛暑の中でも無事故・無トラブルで完工。
- お客様評価でも、作業品質とコストパフォーマンスを高くご満足いただきました。
今後は、定期点検や軽度剪定、土壌管理などのメンテナンス提案を継続的にご活用いただくことで、再発リスクを低減し、長期的な安全環境を維持できます。
改めまして、このたびのご依頼誠にありがとうございました。今後とも安全第一でサービスをご提供してまいりますので、何かご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。