安芸郡海田町・崖沿い特殊伐採 作業事例
目次
- はじめに──安芸郡海田町 崖沿い特殊伐採の背景
- 事例概要──樹種・環境・作業条件
- 事前調査とリスク評価──安全対策計画の立案
- 使用機材・人員体制──高所作業車からチルホールまで
- 作業フロー──設営から後片付けまでの6ステップ
5.1 現場設営・防護措置
5.2 枝払い・粉砕処理
5.3 空中分割伐倒+吊り下ろし
5.4 抜根・土留め補強
5.5 幹材搬出
5.6 清掃・撤収 - ビフォー&アフター──写真で見る成果比較
- お客様の声──安心と満足のフィードバック
- まとめ──崖沿い特殊伐採を成功させるポイント
1. はじめに──安芸郡海田町 崖沿い特殊伐採の背景
広島県安芸郡海田町は、山間部と住宅地が隣接する地形が特徴的で、とりわけ崖沿いの斜面に生育した高木は、風雨や地盤の軟弱化による倒木リスクが高まっています。今回ご紹介する事例は、崖下に住まうご家族の安全を第一に考えた「崖沿い特殊伐採」です。
- 崖沿い立地の課題
- 傾斜約30°の斜面に高木が根を張り、万一の倒伏時には崖下住宅への直撃や土砂崩れを招くおそれ
- 通常の重機搬入が困難で、人力による作業領域の確保と細分化された伐倒手法が求められる
- ご依頼の背景
- 長年放置されたクスノキの成長に伴い、枝葉が道路や近隣竹林をおおい、景観悪化と日照不足が発生
- 台風シーズンを前に「崖崩れ」「隣家への落下物」を防ぎたいとのご要望
- 特殊伐採の目的
- 斜面崩落リスクの排除
- 隣地・公共施設への被害防止
- 安全かつ短時間での樹木除去
このような背景を踏まえ、崖沿い特殊伐採には「事前のリスクアセスメント」「空中分割+ロープワーク」「緻密な安全措置」が不可欠です。本事例では、これらをどのように実現したかを詳細にご紹介します。
2. 事例概要──樹種・環境・作業条件
- 作業場所
安芸郡海田町青崎地区、住宅地と山林の境界に位置する崖上部 - 対象樹木
- 主木:クスノキ(樹齢約60年、胸高直径約40 cm、高さ約12 m)
- 副木:雑木数本(胸高直径10〜20 cm、高さ3〜5 m)
- 周辺:背後に密集した竹林、崖下に民家の庭
- 地形・現場条件
- 崖勾配:およそ30°(作業面は足元が不安定)
- 足場幅:1.2 m程度の狭小スペース
- 重機搬入:クレーン・高所作業車のみ崖頂上に展開可能(車両系建機は進入不可)
- 隣接物:落下時の巻き込みを避けるため、崖下に防護ネットとエアマット設置
- 作業条件
- 空中分割伐倒:伐倒方向の制御が困難なため、上部を数セクションに分けて吊り下ろし
- チルホール利用:重量物を安全に引き降ろすための手動ウインチ使用
- 抜根対応:切株後に崖の安定化を図る抜根および簡易土留め補強
- 所要時間:準備含め全工程で約6時間(8:00開始〜14:00完了)
この事例では、限られたスペースと斜度の中で「安全性」「効率」「隣地配慮」を両立させるための機材選定と作業計画が鍵となりました。次章では、事前調査とリスク評価の詳細をご紹介します。
3. 事前調査とリスク評価──安全対策計画の立案
3-1. 現地ヒアリングと環境確認
- 地番・所有者確認
事前に崖上の土地権利者と連絡を取り、作業範囲と立木の所有関係を明確化。 - 周辺状況の聴取
隣接住宅の使用時間帯(通学路になっていないか等)や、崖下庭先の人通りを把握。 - 既存資料の収集
地形図・航空写真で崖勾配と支保工の有無を確認し、崖の土質や排水状況を推測。
3-2. 危険要因の洗い出し
危険要因 | 想定される影響 | 優先対応策 |
---|---|---|
崖勾配(約30°)による足場不安定 | 転倒・滑落事故、機材の転倒 | 足場幅確保用の仮設トラス脚立設置 |
高木(12 m・胸高直径40 cm)の不規則な荷重分布 | 空中分割時の予想外の振れ・掛かり木発生 | 各セクションの荷重試験&ロープ強度確認 |
隣接竹林の倒壊誘発 | 切り枝による連鎖倒壊、作業領域の狭小化 | 先行して竹林の枝払い&チッパー処理 |
崖下側の住宅・庭への落下物リスク | 人的被害、建物・園芸資材への損壊 | 防護ネット・エアマットの二重設置 |
悪天候(風速・降雨) | ロープ滑り、視界不良による作業ミス | 風速計によるリアルタイム監視/降雨中断 |
3-3. 安全対策計画の立案
- 足場確保
- 狭小斜面に仮設トラス脚立(最大荷重500 kg)を2基設置し、作業員の足元を水平に保持。
- 空中荷重コントロール
- チルホール(手動ウインチ)と3t規格ロープを用い、各分割セクションを段階的に荷重テスト。
- 伐採前に必ず「試引き」→「荷重メモリ確認」を行い、ロープ強度・掛かり角度を全員で共有。
- 落下物防護
- 崖下住宅側に防護ネット(落下距離5m想定)とエアマット(反発吸収率80%)を二重展開。
- 作業範囲周囲にはカラーコーンと警戒テープを配置し、近隣住民の立ち入りを制限。
- 気象条件管理
- 風速計を設置し、5m/sを超えた場合は作業中断。降雨予報がある場合は前日夕に最終判断。
- 緊急対応体制
- 作業主任者は無線機を携行し、異状発生時には即座に「作業停止→全員退避」手順を発令。
- 最寄りの救急・消防署へのルートを事前に確認し、緊急連絡先リストを全員配布。
以上のリスク評価と安全対策計画をもとに、当日は「準備→伐採→事後確認」の各段階で必ず安全ミーティングを実施し、綿密な連携のもとで作業を進行しました。次章では、使用機材と人員体制について詳しくご紹介します。
4. 使用機材・人員体制──高所作業車からチルホールまで
4-1. 使用機材一覧
機材・装備 | 目的・役割 | 仕様・ポイント |
---|---|---|
高所作業車(10m級) | 崖沿い高木の上部枝払い・空中セクション伐採 | アウトリガ(水平脚)装備/エンジン式油圧リフト |
チルホール(手動ウインチ) | 各セクションの荷重コントロール・吊り下ろし | 引張力3 t・ブレーキ付/耐摩耗ロープ併用 |
強力ロープ・スリング | 伐採部材の吊り下ろし/荷重分散 | 3 t規格×合計100 m、耐UV・耐切創タイプ |
防護ネット・エアマット | 落下物から崖下住宅・通行人を保護 | ネット目合い30 mm・エアマット反発吸収80% |
チルホール固定架台 | ウインチの安定設置・荷重試験用 | 軽量アルミ製/地面アンカーで固定 |
仮設トラス脚立 | 狭隘斜面での足場確保 | 最大許容荷重500 kg/滑り止めステップ装備 |
チェーンソー(50cc級) | 枝払い・幹の空中カット | キックバック防止チェーン・静音マフラー |
ヘルメット・防護チャップス | 作業員の安全保護 | ANSI規格準拠/耐切創性能 |
チッパー車 | 枝葉の場内粉砕処理 | 口径10 cmまで対応/排出口延長ホース付 |
無線機・緊急連絡用携帯 | チーム間連携・緊急時の迅速通報 | 防水・耐衝撃/PTT(ワンタッチ通話) |
4-2. 人員体制
役割 | 人数 | 主な業務内容 | 必要資格・講習 |
---|---|---|---|
伐木作業主任者 | 1名 | 全体安全統括、リスクアセスメント・安全確認の実施 | 伐木等作業主任者選任講習 |
ロープワーク担当 | 1名 | チルホール操作・ロープ掛け・荷重試験 | ロープ高所作業資格・特別教育 |
伐木・枝払いオペレーター | 1名 | チェーンソーによる枝払い・幹カット | 伐木等特別教育修了証 |
補助作業員 | 2名 | 防護ネット設営・資機材運搬・現場整理 | 安全衛生教育(労働安全講習) |
現場監督(施主対応) | 1名 | 施主との連絡調整・写真撮影・報告書作成 | 特に資格不要(現場管理経験必須) |
4-3. 体制ポイント
- 複数役割の明確化
各作業員が自分の担当を熟知し、「誰が」「いつ」「何を」行うかを事前に紙で共有。 - 資格・講習の徹底
伐採主任者・チェーンソーオペレーター・ロープワーク担当は全員証明書を携帯し、開始前に施主にも提示。 - コミュニケーションツール
無線機で常時連絡を取り合い、離れた崖下–崖上間でも即時安全確認が可能。スマホは緊急用に保持。 - 機材配置の最適化
高所作業車は作業中心帯にアウトリガを伸ばし、ウインチと脚立は荷重テスト位置の両サイドに配置。 - 安全ミーティングの実施
朝礼・ブリーフィングで装備点検・リスク共有・役割再確認を行い、作業中は「試引き」で都度荷重を確認。
以上の機材選定と人員体制により、崖沿いの狭小・高リスク現場でも安全性と効率性を両立し、所要時間6時間以内で完了しました。次章では、実際の作業フローをステップごとに詳述します。
5. 作業フロー──設営から後片付けまでの6ステップ
5.1 現場設営・防護措置(08:00–09:00)
- 防護ネット&エアマット設置
崖下の住宅・通行エリアを二重に覆い、落下物の衝撃を吸収。 - 仮設トラス脚立&アウトリガ展開
崖上の斜面に脚立2基を水平設置し、高所作業車のアウトリガを確実に固定。 - 境界マーキング&立入禁止帯設定
カラーコーンと警戒テープで作業範囲を明示し、第三者の立ち入りを防止。
5.2 枝払い・粉砕処理(09:00–10:30)
- 上部枝払い
チェーンソーで不要な枝葉を適切な長さに玉切り。 - チルホールによる吊り下ろし
切り落とした枝をロープで制御しながらチッパー車へ安全に移送。 - チッパー車で現場粉砕
粉砕したチップは現場に散布し、廃材量を大幅削減。
5.3 空中分割伐倒+吊り下ろし(10:30–12:00)
- 3セクションへの分割
幹を均等に区分し、それぞれチルホールで引き出しながらカット。 - 吊り下ろし操作
各セクションをロープスリングで確実に固定し、ゆっくりと崖下まで降下。 - 掛かり木処理
想定外の掛かり木が発生した場合はスリングを再設定し、即時解放。
5.4 抜根・土留め補強(12:00–13:00)
- スタンプカッターで根株切断
切り株周囲を15 cm程度深く掘削し、根を露出。 - クレーン併用で引き抜き
根株を吊り上げて崖上から撤去し、土留め用に石積みを簡易設置。 - 残土均し
切株穴周辺の土を転圧し、不陸を防止。
5.5 幹材搬出(13:00–13:30)
- 玉切りサイズ調整
幹を2 m×30 cm長にカットし、軽トラへの積載を容易化。 - 軽トラ2台で搬出
積載後は道路幅をふさがないよう順次搬出。
5.6 清掃・撤収(13:30–14:00)
- 場内清掃
落下枝葉やチップをブロアで吹き飛ばし、落石・釘類を点検。 - 機材・防護資材撤去
チルホール架台・脚立・ネット・マットを順に解体・回収。 - 施主確認&報告書作成
ビフォー・アフター写真を撮影し、施主に作業完了サインをいただいて終了。
以上の6ステップを厳守し、安全かつ効率的に崖沿い特殊伐採を完了しました。次章では、ビフォー&アフターの比較写真をご覧いただきます。


6. ビフォー&アフター──写真で見る成果比較
ビフォー(作業前) | アフター(作業後) | |
---|---|---|
写真 |
- 見通し改善
崖に覆いかぶさっていた枝葉がなくなり、道路・隣地の視界がクリアに。 - 安全性向上
不安定だった崖上の荷重が分割除去され、倒木リスクを完全に排除。 - 地盤安定化
抜根後に切株穴を石積みで補強し、雨による崖崩れリスクを低減。 - 廃材処理効率化
チッパー車による粉砕チップを現場に散布し、廃材輸送量を1/10に削減。
次章では、実際にご依頼いただいたお客様からの声をご紹介します。
7. お客様の声──安心と満足のフィードバック
依頼主:田中様(海田町在住)
「崖沿いでの作業は初めてだったので不安でしたが、事前の説明が丁寧で安心して任せられました。特に、チルホールでの吊り下ろしを見て、『こんな危険な場所でもプロは違うな』と感動しました。」
依頼主:鈴木様(隣家)
「枝葉が道路にはみ出して通行の邪魔だったのがすっきり解消。作業後の清掃も完璧で、近所からのクレームは一切ありませんでした。」
依頼主:山本様(崖下住宅オーナー)
「伐採後の切株穴も石積みで補強してもらい、雨が降っても土砂が流れないと安心しています。費用も見積り通りで、追加請求が一切なかったのも好印象です。」
8. まとめ──崖沿い特殊伐採成功の3大ポイント
- 徹底した事前リスク評価
- 地形・樹種・隣接物を詳細に調査し、崖勾配や隣家への落下リスクを明確化。
- リスク要因ごとに「足場確保」「防護措置」「荷重テスト」を設計段階で組み込む。
- 空中分割+ロープワークによる制御伐採
- 幹をセクションに分け、チルホールと強力ロープで吊り下ろしながら安全に除去。
- 掛かり木や想定外の振れにも即時対応できる荷重試験と手順を全員で共有。
- 現場環境への配慮と迅速な後処理
- 防護ネット・エアマットで住宅・通行人を保護し、近隣クレームをゼロに。
- チッパー車で枝葉を粉砕、抜根後は切株穴を石積みで補強して地盤を安定化。
本事例での経験を踏まえれば、限られたスペース・高リスク環境下でも、安全かつ効率的に伐採作業を完了できます。
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